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概要

叢書名
ちくまプリマー新書
書名
「自分らしさ」と日本語
著者名
中村桃子著
出版者
筑摩書房
出版年月日
2021/05
00132973

利用状況

貸出中

詳細

和洋区分
和書
ページ 231p
サイズ 18cm
ISBN 9784480684004
定価 860
注記 文献:p227〜231 ことばには<その人らしさ>を表現し、話している人同士の関係を作り上げる働きがある。社会言語学の知見から、「名前」「呼称」「方言」といった観点を通して、ことばで「自分」を表現するとはどういうことかを明らかにする。 なぜ小中学生女子は「わたし」ではなく「うち」と言うのか?アイデンティティを表現する材料としてのことばの大切さを示し、ことばでアイデンティティを表現するには制限があること、それにもかかわらず、私たちはことばを工夫して使うことで、何とか表現したいアイデンティティを創造しようとしていることを明らかにする。
分類記号1
810 日本語
件名 日本語 ニホンゴ 言語社会学 ゲンゴ/シャカイガク
内容細目1 〈中村桃子〉 1955年東京都生まれ。上智大学大学院修了。博士。関東学院大学教授。専攻は言語学。著書に「新敬語「マジヤバイっす」」「翻訳がつくる日本語」など。
内容細目1 はじめに
内容細目2 第1章 アイデンティティ表現の材料としての「ことば」
内容細目3 1 人との関係から立ち現れるアイデンティティ
内容細目4 2 「本質主義」と「構築主義」
内容細目5 人と関わり合う前の自分は空っぽなのか?/アイデンティティはいくつもあるのか?
内容細目6 3 アイデンティティの三つの側面-マクロ・メソ・ミクロ
内容細目1 4 表現の材料は無限にある
内容細目2 服装や髪型も「ことば」/アイデンティティを伝える「ことば」の種類/言語資源
内容細目3 5 「ことば」の制限と創造性
内容細目4 第2章 名前-「わたし」を示すことばの代表
内容細目5 1 名前に対する二つの感覚-「名実一体観」と「名前符号観」
内容細目6 一人一名主義/アメリカの命名と日本の命名の違い
内容細目1 2 人が変わって名前が変わる、名前を変えて自分も変わる
内容細目2 3 名づけには制限がある
内容細目3 4 婚姻改姓は何を変える?-ひとつの姓に束ねられた家族像
内容細目4 夫婦同姓と家族単位の戸籍/姓によって残された「家」意識/なぜ日本では女性が婚姻改姓するのか/女性の婚姻改姓にともなう問題/選択的夫婦別姓/姓が違うと、家族の一体感がなくなりますか?
内容細目5 5 たくさんの名前を持つ現代人-演じ分ける「わたし」
内容細目6 第3章 呼称-呼び方で変わる関係
内容細目1 1 「あたし・うち・ぼく・おれ」どれを使う?
内容細目2 女子が「ぼく」を使うのは、間違い?/男女で異なる自称詞は明治時代につくられた/異性愛規範を確実にする装置/LGBTを苦しめる「おれ」の男らしさ
内容細目3 2 女子が使う「うち・ぼく・おれ」
内容細目4 女子は「ぼく・きみ」を使いつづけてきた/突然の「わたし」への変身/「異性愛市場」の出現と「女」になることへの不安/新しい<少女性>の創造/「ボクっ子」を消費する/「ぼくは望んで妊娠しています」/「わて」と「あんさん」
内容細目5 3 ことばを変えることで関係を変える
内容細目6 第4章 「ことば」とアイデンティティの結び付き
内容細目1 1 言語要素
内容細目2 「スタンスと特質」と「社会的アイデンティティ」/直接的な結び付きと間接的な結び付き/言語イデオロギー
内容細目3 2 指標性
内容細目4 3 メタ語用論的言説
内容細目5 4 「○○ことば」とアイデンティティ
内容細目6 クイーンズ・イングリッシュ(女王の英語)/外国語なまりの英語を話すディズニーアニメの悪者/ネイティブ・アメリカンの高いほほ骨/グループを区別する理由がないと「○○ことば」は成立しない
内容細目1 第5章 敬語-「正しい敬語」から「親しさを調整する敬語」へ
内容細目2 1 日本語の敬語体系
内容細目3 敬意(上下関係)と距離感(親疎関係)
内容細目4 2 日本人なら「正しい敬語をマスターすべき」-敬語イデオロギー
内容細目5 「社会人」に鍛えなおすという権力/敬語をマスターすることは、エライ?
内容細目6 3 「正しい敬語」を決められるのか?
内容細目1 「上下関係」から「親疎関係」へ/敬語の岡田准一とタメ口の妻夫木聡/いつ、だれに、どのくらい、どの敬語を使うべきなのか?/永遠のベストセラー「正しい敬語」のマナー本
内容細目2 4 アイデンティティを変化させる敬語の使い方
内容細目3 <親しい丁寧さ>を表す「マジヤバイっす」/新聞にあらわれる皇室敬語の違い/「ため口キャラ」の登場
内容細目4 第6章 方言-「恥ずかしいことば」から「かっこいいことば」へ
内容細目5 1 「国語」の弊害としての「方言」の誕生
内容細目6 言文一致/上田万年と「国語」の創造/標準語イデオロギー/国語の成立をじゃまする方言/方言受難の時代/「方言について語ることば」がつくる「方言イデオロギー」
内容細目1 2 方言とステレオタイプ
内容細目2 地域・人物像・イメージとの結び付き/方言の「凝縮化」/疑似東北弁に翻訳されてきた黒人奴隷のセリフ
内容細目3 3 よその言葉を借りてくる-ことばの越境
内容細目4 方言とアイデンティティの三つの関係/「スタイル的な越境」と「パフォーマンス的な越境」/なぜ強盗は英語を話し、警察官は関西弁を話したのか
内容細目5 第7章 「女ことば」-伝統的な<女らしさ>から辛口の材料へ
内容細目6 1 「女ことば」とは女性が使っている言葉づかいなのか?
内容細目1 2 「女性が使ってきた言葉づかいだ」という考え方の問題点
内容細目2 明治時代の「女学生ことば」から派生した/女性はみんな<女らしさ>を持っているという前提/昔の女性も「女ことば」を話していなかった
内容細目3 3 「女ことば」をつくってきたメタ語用論的言説
内容細目4 「最近」の言説/翻訳で使われる「女ことば」/後からつくられる伝統
内容細目5 4 女性の言葉づかいの規範としての「女ことば」
内容細目6 内田裕也を動かした蓮舫の話し方
内容細目1 5 攻撃的な「女ことば」・オネエことば
内容細目2 主張や怒りを表現する「女ことば」/オネエことば/「女ことば」のパロディとしてのオネエタレントことば/なぜ「オニイことば」はないのか
内容細目3 おわりに
内容細目4 参考文献

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